SNS型投資詐欺・なりすまし広告の検知方法
著名人の写真がある、動画の声が自然に聞こえる、実在する銀行の名前が出てくる。そうした見た目だけでは、投資広告の信頼性を判断できません。金融機関やプラットフォームの担当者に必要なのは、疑わしい広告を見つけ、根拠を残して確認する手順です。
2026年の被害状況
警察庁の2026年10月2日公表資料によると、1〜8月のSNS型投資詐欺は7,097件、被害額937.4億円で、前年同期比53.8%増でした。これは暫定値であり、SNS型ロマンス詐欺とは別の区分です。
政府とプラットフォームの動き
警察庁、金融庁、消費者庁など7府省庁は、2026年8月7日付の文書でGoogle、LINEヤフー、Meta、TikTok、Xに対策強化を要請しました。広告主の本人確認や広告の透明性向上などを求めています。要請が出たことと、各対策が実施・検証されたことは分けて確認します。
公開広告で確認できる兆候
一つの特徴だけで詐欺と断定せず、公式の発信や登録情報と照合します。
| 兆候 | 確認すること |
|---|---|
| 著名人・金融機関の名前や画像 | 本人や機関の公式サイトに同じ案内があるか |
| 利益保証、限定枠を強調する表現 | 説明の根拠、広告主、商品と勧誘主体 |
| LINEなど外部アプリへの誘導 | 誘導先の表示と実際のリンク先、公式窓口との違い |
| 似た広告が複数アカウントから出る | 原文、掲載時刻、広告情報、共通するリンク先 |
AIで候補を絞り、人が確認する
まず、文章や画像の類似性を使って既知の疑わしい広告に近い候補を探します。次に、生成AIなどで確認すべき表現や不整合を整理し、原資料と一緒に担当者へ渡します。これは設計例であり、特定モデルの採用や検知精度を保証するものではありません。
- 公開広告・投稿のURL、時刻、画像、表示された広告主とリンク先を保存する。
- 類似した内容や勧誘表現をまとめ、優先して確認する候補を選ぶ。
- 人が公式発信、事業者登録、原映像などと照合する。
- 根拠と判断を記録し、権限のある窓口から照会・通報し、訂正も残す。
見えない範囲と誤判定
公開情報の監視では、非公開チャットや振込先の取引履歴までは見えません。正規の広告や報道にも似た表現があり、AIの説明にも誤りがあり得ます。個人情報は必要な範囲に絞り、保存期間と利用目的を定めてください。
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よくある質問
AIだけで詐欺と判定できますか?
できません。AIは候補の抽出や確認事項の整理に使い、原資料との照合と対応判断は人が行います。
LINEの非公開グループも確認できますか?
公開情報の監視からは見えません。非公開の会話や取引情報を取得できると想定せず、関係機関が適切な権限と手続きに沿って扱います。
金融機関はどの段階で使えますか?
なりすまし広告や誘導リンクなど、送金前に公開される兆候を調査の手がかりにできます。顧客の取引監視を置き換えるものではありません。
937.4億円は年間の被害額ですか?
いいえ。警察庁が2026年10月2日に公表した、同年1〜8月のSNS型投資詐欺被害額の暫定値です。